■主な登場人物

武市半平太
 龍馬と親戚筋にあたる土佐藩郷士。徳川幕府を廃止し、朝廷を中心にする新しい政治構想を掲げた「土佐勤皇党」を結成した。禁門の変のあと、山内容堂の命により土佐勤皇党は弾圧され、無念の切腹を強いられた。
久坂玄瑞
 長州藩士。奇兵隊の前身となる光明寺党を結成。吉田松陰を師とする松下村塾で学び、そのすぐれた才能を松陰に絶賛され、松陰の妹を妻とした。長州を代表する志士の一人として、高杉晋作らと幕末を奔走した。「禁門の変」で自刃。
桂小五郎
 長州藩士。明倫館で吉田松陰に学ぶ。長州の志士の中心人物で、池田屋事件、禁門の変を辛くも生き延びる。薩長同盟の締結の際には、長州側を代表して交渉にあたった。のちに木戸孝允と改名し、維新後は参議の要職に就く。
トーマスグラバー
 イギリス商人。長崎で貿易会社を営み、銃や船などを日本で販売した。坂本龍馬を陰で支えたビジネス・パートナー。反幕勢力に対して、最新の西洋の武器・弾薬を提供した。
高杉晋作
長州藩士。松下村塾で吉田松陰に学ぶ。身分を問わず戦う意志のある者を集め、奇兵隊を結成する。恭順派を倒して藩政を握り、幕府の第二次長州征伐軍を打ち破る。龍馬にピストルを送ったというエピソードは有名。
西郷隆盛
薩摩藩士。禁門の変や長州征伐で軍事の才能を発揮する。それが原因で長州から大きな恨みを買うが、龍馬らと知り合い、薩長同盟を結ぶに至る。鳥羽伏見の戦いに始まる戊辰戦争では、官軍の中心的人物として活躍。維新後は「征韓論」を唱えて失脚し、西南戦争で没した。
中岡慎太郎
土佐藩士。土佐勤皇党に所属し、武市半平太から熱い信頼をおかれていた。後に土佐を脱藩して、長州に向かう。薩長同盟の成立に際しては、龍馬とともに奔走し、陰の立役者となった。その後も、陸援隊を結成して倒幕の浪士集団を組織。やがて龍馬とともに京都・近江屋で運命の日を迎える。